時代とともに変化する組織
--入社の経緯と、チーム内における各自の役割について簡単に教えてください。
八木:会社全体の経営計画の策定と、資金調達を主に担当しています。入社してまだ半年。以前は丸井グループで財務やカードの企画などを行っていました。
川島:国内の新規事業を担当していて、現在は富山事業を統括しています。入社して7年目。以前は実家の植木屋で働いていたのですが、知人の紹介でA-TOMに入社しました。
小泉:私は八木さんのサポートとして、経営の出納業務をメインに担当しています。今年で入社8年目になり、以前は丸井グループで勤務していました。
--A-TOMの社員は中途採用がほとんどです。一般的な企業と比べてA-TOMならではの特徴や面白いところはなんですか?
小泉:上下関係がほぼないところですね。上司や部下といった関係性が明確ではなく、みんな、「さん付け」で呼びあっています。ラグビーでよく「ワンチーム」という言葉を聞きますが、A-TOMもまさにそんな感じ。以前は役職名で呼んでいたのですが、「さん付け」になってから結束力が高まり、親近感が強くなった感じがします。
八木:A-TOMのいいところは組織がフラットで、上司と部下や、男性と女性など、隔りがほとんどないところだと思います。20代の新入社員が入っても、ビジネスの進め方から日常会話まで、気兼ねなく話せる。企画を提案する時にもかしこまって企画書にまとめて稟議にかけるのではなく、LINEやSNSなどで話ができるので、プロセスがスピーディーでいいですね。
川島:僕は企業に就職した経験がありませんが、ファミリービジネスという点では以前、働いていた実家の植木屋と同じかなと思っています。小規模な組織ならではの風通しの良さや機動力、親近感など、とても働きやすい環境だと思います。
小泉:あと、A-TOMの特徴は、やりたいと思ったことをどんどんチャレンジさせてくれるところ。3〜4年前、茂さんが英語を学びたい人のために、社外から講師を呼んで勉強させてくれたんです。当時、私は来客対応も担当していたのですが、外国からのお客様も多かったので、もっと英語力を磨きたいなと思っていました。だから、すぐに立候補して参加しました。
川島:僕も参加しました。週1回90分のクラスが2年間くらい、続きましたね。初めはTOEIC対策のクラスだったけれど、そのうちあまり実用的じゃないという話になって、2年目からは実践的な英会話に切り替わりました。
八木:「もっと学びたい」「挑戦したい」という人には最適な職場ですよね。A-TOMは今年で創業60年、経理や財務の仕組みも時代にあわせて徐々に変化しつつあります。
最近では、経理業務をアウトソーシングして効率化を図ったり、スマホから経理関係の申請ができるようになったり……。たとえば富山事業で社員が現地へ出張していても、タイムラグなく書類の手続きややり取りができるようになり、だいぶ働き方が変わりました。
社員は家族。会社は家
小泉:毎年社員旅行を年1〜2回行うのも、今の時代、珍しいですよね。毎回、会長や茂さんのおもてなしが手厚くて、貴重な体験をさせていただいています。
川島:これはまさしく「忠四郎イズム(注:現会長、青井忠四郎)」ですよね、社員一人一人が家族であるという考えは、これからもA-TOMに受け継がれていくのだろうと思います。
今年はみんなで富山へ行って、あまよっと横丁を視察しました。社員一人一人が実際に出かけなければ、企業としてそのプロジェクトを行っている意味がない、と言って。同じ企業でも扱っているビジネスは非常に多岐にわたるので、こうして事業の一環を直接体感できたのはいい経験でした。
八木:旅行に行くと、普段あまり話ができない人とゆっくり話せたり、「この人にこういう一面があったのか」という新しい発見があったりするのも楽しいですね。
社員旅行のほか、年1回の社内運動会も、社員にとっていいコミュニケーションの場。これからもこういう習慣は大切にしたいと思います。
小泉:若い社員がここ2年でずいぶん増えて、社内の雰囲気も変わってきました。でも、世代間のギャップが広がったというのではなく、むしろ、年配の社員も若い人たちに刺激を受けて、ますます新しいことにチャレンジするようになった感じ。いい具合に社内に活気が生まれましたよね。
八木:10年前は社員10人くらいだったのに、今では30名弱。これからもっと増えるだろうと思います。
同時に、社員数が増えるにつれて不動産賃貸事業から一歩進み、A-TOM自体の業態も成長しているのを感じます。今後も「不動産」という枠にとらわれず、新しいことにどんどんチャレンジしていく企業でありたいですね。これから10年や20年経つ頃には、富山事業を皮切りに、地方活性の取り組みを他地域でも展開しているかもしれないし、飲食やホテル、観光業などにも着手しているかもしれない。
川島:僕はいま、富山事業を統括していて、毎月、何度か現地を訪れています。これまで富山はあまりなじみがなく、僕にとって縁の薄い場所でしたが、知れば知るほど魅力が多い県であり、そうした魅力を再発掘し、富山の人たちをはじめ、日本の人たちに広く知ってもらうことが僕たちの仕事。今後は富山で活躍する若くてアグレッシブな考えを持つ人たちとも協働しながら、もっと面白いことにチャレンジしていきたいですね。
八木:いま、A-TOMは「2030」というビジョンを掲げていて、2030年までに20億円の会社を30個作ることを目指しています。そのためには社長が30人必要になるということ。いま、社内にいる人たちにも、それから、今後A-TOMの一員として加わってくれる人たちにも、社長になって自分のビジネスを始めるチャンスがある。
私は今、58歳で、一昔前ならそろそろ引退を考える年齢だったかもしれませんが、これからも若い人たちから刺激をもらいつつ、なにか新しい事にチャレンジしたいと思っています。
川島:A-TOMの社員はみんなバックボーンがバラバラで、不動産業の知識がなくても、自主的に学びながらどんどん実力をつけていった人ばかり。だから、「これまでどんな経験をしてきたか」ということももちろん大事だけど、「ぶっ飛んだ考え方をしていて面白い人」や「やりたいことが明確に定まっていて、目的を達成するために突き進んでいける人」に、ぜひ、仲間に加わってほしいですね。
小泉:いろいろなアイデアを持ち寄ってみんなの力でどんどん膨らませていける環境が理想。
A-TOMは一般的な企業に比べて離職率が極めて低いんですよね。それがこの会社の居心地の良さや働きやすさ、面白さを表しているんじゃないかと思います。
これまで時代とともにA-TOMが変わってきたように、今後もどんどん変化していくはず。そうした変化を恐れず、むしろ積極的に推進して、「今、ないもの」をゼロから作りあげることを楽しいと思って取り組んでくれる人と、一緒に働きたいなと思っています。