WE WANT YOU! JPN | ENG
AYUMU ISHIKAWA x SHIGERU AOI

2015年度シーズンも必ず活躍して、富山で野球教室を続けたい。

富山の冬には、独特の「におい」がある

Shigeru Aoi:少年時代、富山ではどのように過ごしていましたか?
Ayumu Ishikawa:家の周囲は畑しかありませんから、ほとんど外で、野球とかサッカーをして遊んでいましたね。テレビゲームなども多少はしましたが、基本的には外で。
Shigeru:いつごろから、自分はプロ野球選手になれると思いましたか?大都市で生活していると、環境がコンペティティブというか、周囲にプロを目指す同級生がいて刺激を受けたりするものです。でも、富山にそういった環境はなかったと想像するのですが…。
Ayumu:そうですね。具体的にプロを意識し始めたのは、大学に進学してからです。
Shigeru:高校時代はどうでした?
Ayumu:高校2年の冬には、富山県内では誰にも負けたくないと思っていましたね。140km台の球を投げる選手は県内にもいたので。冬にトレーニングを頑張って144〜145kmぐらい投げられるようになった。その段階で、大学進学の話などもいただくようになりました。
Shigeru:富山の県民性のイメージは「質実剛健」。そして、いい意味でゆっくりしていると思います。石川選手は性格的にコンペティティブだったのですか。
Ayumu:どうでしょう…。負けず嫌いではありましたね。内に秘める感じで。
Shigeru:富山の冬は寒いですよね。
Ayumu:12月から2月ぐらいまでの、雪が降る季節はグラウンドで練習できませんからね。室内でのウェイトトレーニングとか階段ダッシュとか、地味な練習が続きます。雪国の野球は制約が多くて大変ですよ。だから冬は嫌いですね(笑)。特に下級生の時はきつかった。
Shigeru:でも、富山県人は冬があるからこそ強いイメージがあります。「何も咲かない寒い日は、下へ下へと根をのばせ」という表現がありますよね。耐えて耐えて春には行くよ、と。派手さはないけど、堅実に。
Ayumu:そういった感覚はあるかもしれませんね。
Shigeru:ご自分で「富山県人だな」と思うことはありますか?
Ayumu:周りからは言われますね。富山県人はユルいと(笑)。親戚にもせかせかしている人はあまりいませんね。
Shigeru:コンペティティブというよりはマイペースで、自分のピッチングをすればいいと。
Ayumu:そういう気持ちはありますね。
Shigeru:東京との違いを感じることはありますか?
Ayumu:東京に雪が降った時は、チームのみんなのテンションが上がって、特に沖縄の宮古島出身の川満投手などは、東京で初めて雪を見たので大喜びしていましたけど、僕だけはポカンとしていましたね。
Shigeru:「富山に帰ってくると落ち着く」とおっしゃいましたが、そのルーツをお聞きしたいのですが。僕は祖父(青井忠治)が富山出身ということもあり、昔から耳にしている富山の生活はとにかく大変な印象ばかりが強いのですが。富山県人としての「血」を感じることはありますか?
Ayumu:雪に覆われた立山連峰を見ると、落ち着きますね。懐かしいなと。食べ物にしても、やっぱり富山で食べる方がおいしいですね。空気というか、富山のにおいがあるんですよ。
Shigeru:においですか(笑)!
Ayumu:そうなんです。富山独特のにおい。特に冬はありますね。富山の人は地元に愛着が強く、将来は富山に帰りたいと言っている人が多いです。富山に帰ってきた時には、誰かの家に集まって、日本酒をよく飲みますね。富山には「満寿泉」や「立山」など有名なお酒が多いですから。僕も将来は帰ってきたいと思っています。

自分のピッチングができれば、必ず抑えられる。

Shigeru:このインタビューの前に、富山市と魚津市で2日間に分けて、子供達を対象とした野球教室を開催したわけですが、どうでしたか?
Ayumu:うれしかったですね。社会人時代に東京で野球教室をしたことはありましたが、富山では初めての経験でしたから。社会人の時はチーム全体での野球教室でしたので、今回のように二人(※同じ富山出身の西野勇士投手とともに行った)だったのも、新鮮でした。
Shigeru:ご自分が子供のころに野球教室はありましたか?
Ayumu:名球会の野球教室が一度あったぐらいです。何を教えてもらったかは忘れてしまいましたが、テンションが上がって、野球への興味が深まったことはよく覚えています。
Shigeru:子供たちにとって、プロ野球選手と話したという体験は、一生残る思い出になるでしょうね。何年後かに、もしかするとプロになった彼らと対戦するかもしれないわけで…。富山の少年達に、大きな夢を与えたのではないでしょうか。横浜ベイスターズの黒羽根利規捕手が小学5年生の時、三浦大輔投手に「将来バッテリーを組もう」と言われてプロを目指した逸話は有名ですよね。石川投手もこれから毎年、富山で野球教室をしていただき「富山県人同士でバッテリーを組もう」と言いましょうよ。これは子供たちが奮い立ちますよ。
Ayumu:そうですね。今日の子供たちの中から、バッテリーを組める子が出てきたらいいですね!
Shigeru:地元の魚津市に帰った時は、やはり大歓迎を受けましたか?
Ayumu:スーパーなどに垂れ幕をかけていただきましたね。昨年の初登板の時には、実家にお酒やお花がひっきりなしに届いていたようです。ありがたいことですし、嬉しいですね。
Shigeru:富山県でドラフト1位の方は今までいらっしゃったのですか。
Ayumu:外れ1位はいらっしゃいましたが、1位指名は初めてです。
Shigeru:しかもジャイアンツとマリーンズの競合ですからね。富山県人の誇りですよね。プレッシャーはありましたか?
Ayumu:いや、特になかったです。僕は自分のピッチングができれば抑えられると思っていますから。試合前にキャッチボールをするまでは緊張するのですが、投げてみて、よかったら大丈夫。それだけですね。
Shigeru:西野投手という富山県人が同じチームにいるのは面白いですよね。仲はいいですか?
Ayumu:ええ、一緒にご飯を食べたりもしますよ。QVCマリンフィールドの近くに富山料理店があるんですよ。富山人が二人揃うと、方言が出たりもしますね(笑)。
Shigeru:しかしお話を聞いていると、富山が大好きですね。今日はお話できて本当によかったです。
Ayumu:ありがとうございます。今シーズンも活躍して、毎年、野球教室を続けられたらうれしいですね。
Shigeru:実際に会った石川選手が活躍する姿をテレビで見た時に、子供たちが感じるものは本当に大きいと思います。きっとみんな楽しみにしていますので、ぜひ活躍して、毎年続けていただきたいですね。

石川歩(いしかわ・あゆむ)

1988年4月11日生まれ。富山県出身。富山県立滑川高等学校、中部大学で活躍。大学時代は1年春から公式戦に出場。4年次にはエースとしてチームを牽引し、東京ガスへ。社会人3年目でチームをベスト8に導き、東アジア競技大会日本代表にも選出。2013年のドラフト会議で読売ジャイアンツと千葉ロッテマリーンズの2球団から1位指名を受け、抽選の末、ロッテに入団。1年目で10勝を挙げ、新人王に輝いた。